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第4章 case2 【貴方ガ欲シイ】 2

「どちらかといえば、佐倉・・・先輩でしょ、姫様って」

・・・言いながらちょっと内心モヤッとする私。その感情の正体は見ぬふりのまま。

脳裏にチラリと過りそうになる数時間前の斎と彼女・・・を即座に追い出して。

「同じ立場の召使を敬う気はさらさら無いね。むしろアイツは蹴落としたい。ま、表向きは、オジョウサマ、だけどさ」

それもワガママオジョウサマ、な。

なんて、的場君は苦々しい顔つきで言う。よっぽど嫌な人なのかな?異性には媚びる印象があったのだけど、そうでもない?

「あの女の話はどうでもいい。で、姫様はいつ戻る予定?」

「・・・どこに?」

「ドコにっ!? 斎様の所以外にどこがある?」

「何で戻らないといけないの?」

・・・学校を辞める心算は今ないけど、斎のところに戻らないといけない理由・・・ある?

「解ってないな」

呆れた様子の声とともに、ベットに座る私の右隣に座り直す的場君。

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