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第4章 case2 【貴方ガ欲シイ】 2

「前に動けなくなったのを忘れた?改めてはっきり言うけど、斎様から離れると死ぬ呪いがかけられているよ、姫様には」

「の、呪い?」

ゾゾゾッと一瞬這い上がる悪寒。

「“呪い”というのは語弊がある気もするけど、ニュアンス的には間違ってはいない」

呪縛、といった方が正しいか?とその後呟いてる。

「と、解いてよ!!」

的場君の両肩に手を置いて、揺さぶる。どうにかならないのっ!?

「無理。元はタダの人間だしね、オレも」

非情にも的場君の答えはあっさりしたものだった。た、確かに的場君は斎側の人、というだけ。

「オレは学校外に出ても死なないけど。ただし、斎様に逆らったら、死ぬ呪いはかけられてる。召使は絶対服従、が前提でしょ」

ま、逆らう気はさらさらないけどね、とさらっという的場君もある意味怖い。

「怖く、ないの?」

改めて、この場にいない斎に恐怖心を新たにしたというのに・・・。

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