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第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2

「姫様は斎様のものだと何度言ったら理解するんです?アンタも」

「その点は、いつまで経っても平行線だよな・・・お互い邪魔で仕方ないって、いう」

「その点に関しては、一字一句同意しますよ」

「という訳で、死んでくれねえ?」

「は?」

キラッと光る何かを手にして、均がこちらにゆっくりと向かってくる。

「俺は人を殺す事に関して、躊躇はしねえし、特に今のお前は斎と一心同体。半分バケモノ。

おまけに俺の邪魔ばかりする目障りな奴。邪魔者は、消えろ」

初めてみる、殺気を宿した目をした均。燃える樹のお蔭で、表情が解る。

「お断りします」

こっそりと身に着けていた短刀を取り出す。まさか使う羽目になるとは・・・。

「心配するな、永依も後でお前の後を追わせてやるよ」

“永依”の言葉で、スイッチが入る。

「・・・永依に手を出すなッ」

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