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第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2

部屋を出て、走り出す。蝋燭の灯が頼りだった筈なのに、蝋燭の存在すら忘れて。

暗いけれど、何故か何となく屋敷の中が解る。

走って階段を降りる。降りて・・・。

「・・・永依さんッ!!」

ダイニングの部屋の前で、倒れている永依さんを見つけた。

窓から薄く差す月明かりに照らされたスカート姿の女性が見えた。

スカートを穿く女性で、屋敷に残っているのは私の他には永依さんしかいないから。

「永依さんッ」

うつ伏せに倒れていた永依さんを仰向けにする。息をしているか耳を口元に寄せる・・・。

・・・・・・反応が、無い。

「永依さんッ、起きて永依さ・・・!!」

何をどうしていいか解らないけど、身体を揺さぶりさすり、を繰り返してやっていたのだけど、

ふと気が付く。

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