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第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2

手が濡れている。それもヌメヌメと粘着性のある液体によって濡れている事ことに。

そして、匂いがする事に。

明らかに・・・これは・・・。

でも、まさか、そんな筈は・・・。

恐る恐る、手のひらを・・・鼻の近くに持って行く・・・と、

血、の匂いが、する。



「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」



叫び、急いで止血しようと、着ていたカーディガンを脱いで、永依さんに巻き付けた時だった。

「お前、誰だ?」

後から、冷たい声がした。

バッと振り返る。顔が見えない。声は男のもの。でも知らない声。大体、私を知らないという事は・・・・・・、

斎の味方では無く、敵。

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