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第25章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 2

「ナルホド、食糧庫は基本、咲楽斎は来ない。アレにとってはここにある物は食糧じゃないから」

「説明して」

私には解らない事だらけなのだから。

「均が『藤沢絢乃”に会ったら、ここに押し込んでろ』って言ってた意味が解った。

理由は、結界」

「結界?」

「咲楽斎の力が及ばない様、丁寧に丹念に結界が張ってある。結構年月かけた仕事だな・・・」

部屋の中を見回しながら、呟いてる。

「さっきの痛みは呪いだろうな。咲楽斎の」

「呪いって、呪われてるの?」

「多分、呼ばれてた。あのバケモノに。ところがこの結界内は、力が及ばないから、影響が出ない。

だから、痛みが消えた。

たった一人の為に、これだけの丁寧な仕事をする人だとは知らなかった・・・。

均に、愛されてるね」

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