
contract
第26章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 3
「早くッ」
揺れる床と、焦らせる均さん。
玄関までようやくたどり着いたけど、靴を履く時すら、手を離してはくれない。
「ま、待って」
さっき一瞬だ見えたと思う、斎の幻が、私がこのまま外に出ていいのかどうか、躊躇させてる。
「・・・斎が」
「アイツは後だ」
・・・何が、後、なの?
「均さんッ」
「行くぞ」
聞く耳を持たない。何か急いでいる。何に?
「待って、均さんッ」
「後で聞いてやるから、とりあえず非難だ。こんな地震、知らねえッ」
どこか余裕ぶっている筈の均さんは、今、完全に余裕を無くして・・・るみたい。
揺れる床と、焦らせる均さん。
玄関までようやくたどり着いたけど、靴を履く時すら、手を離してはくれない。
「ま、待って」
さっき一瞬だ見えたと思う、斎の幻が、私がこのまま外に出ていいのかどうか、躊躇させてる。
「・・・斎が」
「アイツは後だ」
・・・何が、後、なの?
「均さんッ」
「行くぞ」
聞く耳を持たない。何か急いでいる。何に?
「待って、均さんッ」
「後で聞いてやるから、とりあえず非難だ。こんな地震、知らねえッ」
どこか余裕ぶっている筈の均さんは、今、完全に余裕を無くして・・・るみたい。
