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第4章 case2 【貴方ガ欲シイ】 2

数か月見慣れたはずの顔。ただ、ここまで至近距離だとやはり動揺する。

間違いなく整った顔で、見つめられれば、流石にドギマギする。

って自覚してなければ何とも思わないけど、ドギマギしてると自覚してしまったからには・・・。

ま、マズイッ

泳ぐ視線。

「視線を反らすな」

「む、無理ッ。そ、それにお気に入りの玩具程度に何を必死に・・・」

捕まった当初、斎が言っていた言葉を自虐的に使って反論してみるものの。

「敷地外に逃げ出した時に悟った」

「な、何を?」

「お気に入りだからこそ、二度と逃がさない様に縛っておく必要がある、と」

真剣な、眼差しが私を捕え続ける。それを感じている間に覚悟を決め、彷徨わせていた目線を、斎の目、一点に留める。

・・・何となく負けたくないというか、こうなったら覚悟を決めたいというか、聞きたいことは聞かないと、流されっぱなしもムカつくというか。

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