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第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

都度拒否はした。でも聞き入れる筈もない。仕舞には「させないなら、部屋から出さない」とか言い出した。

・・・流石に監禁まではされたくないので、諦めた。

こっちが大人になる必要があるらしい。・・・と考えたところで、斎の態度が案外子供っぽいモノの様な気がしてくる。

子供の方が本音をぶつける。年をとればとるほど、本音は外に出にくくなる。それが大人・・・というには淋しい考え方だけど、裏と表を使い分けるようにはなる。

ただ、斎は、建前よりは本音を重視してる気がする。

“お気に入り”を手元に置いておく独占欲とか。

“キス”が増えれば身体同士が触れる時間も増えるけど、それが一種の甘えに感じる。

ヒトでない者にも“淋しい”という感情はある、の?

・・・と考える私は結構、逃げ出す以前にも増して、斎に毒されてる気がしてならない。

「無視するな」

軽いキスの後、手短なソファに座る。当然の様に、斎も私の隣に座り、肩を抱き、意識を向けさせようとする。

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