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第5章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 1

斎の事を考えていたとはいえ、斎の方にがっつり意識は向けていなかったので、無視と捉えた斎の顔は・・・まるで置いてきぼりにされた子供?に見えてくる。

ヒトが持ち得ない力を持つ人外。身体は大人並でも、精神は子供。

厄介な相手に好かれたなあ・・・と思わずにはいられない。

「そろそろ種明かししてよ」

このままだと斎の思うように流されて終わりそう。

「種明かし、必要?」

「必要よ。でないと、帰る」

「何処に?」

身体に回っている斎の腕に力が入る。

「・・・家、とか?」

言いながら、帰るなんて無理だろうな・・・というのは簡単に解る。今段階で、斎が私を手放すとは思えない。自惚れではなく、状況的にも。

「その前に、ここから出さない」

宣言とともに、落ちる唇。今度の場所は、首筋。

刺す痛みとともに、多分ついた・・・キスマーク。これも、独占欲の一種。

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