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温もり

第14章 十日目

 
この目玉をくり抜けば、汚い物は見えなくなるのだろうか。
この舌を引き抜けば、悲鳴をあげなくて済むのだろうか。
この耳を切り落とせば、罵声を聞かなくて済むのだろうか。
この鼻を削げば、臭いは感じなくなるのだろうか。
この腕を潰せば、痛めつけられなくなるのだろうか。
この足がなくなれば、痛みは消えるのだろうか。

この心臓を取り出して捧げれば、君は救われるのだろうか。
 

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