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温もり

第2章 妹

 零九が悲しそうな表情になっていると気づいたニニは、ニコニコと笑って話しかける。

「お父さんってさ、どんな人なんだろうね?」

 ニニに話しかけられて、零九の表情は悲しいものから変化し、彼女の知っているいつもの彼の表情になる。無表情であっても、その金の瞳には優しさと愛情があり、ニニを見る時の視線は真っ直ぐ。

「色んな武器使ったり、罠使ったり、囮だってするしさ、戦ってる時は何を考えてるんだろうな、って思うの」

「……そうだな。何を考えてるんだろうな」

 ニニに同調するように零九も頷いてラークの写真に視線を落とす。
 ラディの様子からして、彼はあまり人を憎まない事は二人とも知っている。憎まない代わりにどうなっているのは知らないが。

「一緒に戦った人のインタビューも今までないよね」

 ニニは自分や零九よりも高い本棚に目をやり、そこに並ぶ大量のラークに関する記事の載っている雑誌を見る。
 ハンター関連の雑誌で取り上げられる事は以前からたまにあったが、数ヶ月前に巨大なホワイト・スカルベス(白超竜)を倒してからは一気に有名になって彼を取り上げるためだけに増刊号まで出る程になっている。が、それでも彼の相棒は後姿しかなく、二人のインタビューも一切ない。

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