
温もり
第3章 殺処分
ニニ四の言葉を、零九は素直に受ける止める事はない。それは言った本人も解っている。
だが、それでも、口に出して言いたかった。零九に言いたかった。
「ニニ四、行くよ?」
ニニ三の五五が彼を呼び、零九を気にしながらニニ四は部屋から出て行く。
二人が離れたのを見て、ニニが零九に寄り添う。
「何かあったのか?」
指を絡ませキュッと握り、彼女はラディに強要されている男のフリをする。男のフリとは言え、二人で居る時は口調が変わるだけで、仕草などはいつのもままだ。それでも、百人近いLLが居る中で目立つ存在ではない。
朝食前だと言うのに、年少のLL達は元気に走り、喧嘩をしたりボール遊びをしたり、それを年長達に注意され、と騒がしく、お互い以外とは積極的に話そうとしない二人は逆に浮いている。
「あの二人さ」
ニニと零九を見ていた二八一の九九が二八三の九二に話しかける。
「仲良すぎるよね」
「そうだね」
喋る訳でもなく、部屋の隅に黙って座り、それでも手を握っている姿は珍しくなく、それは二人っきりになってしまったために目立つ事になっていた。
他の一五零達がいた時は同一ナンバー同士が仲良くしている、と言う風に見えたのだが、今はお互いが離れるのを恐れているように見える。
だが、それでも、口に出して言いたかった。零九に言いたかった。
「ニニ四、行くよ?」
ニニ三の五五が彼を呼び、零九を気にしながらニニ四は部屋から出て行く。
二人が離れたのを見て、ニニが零九に寄り添う。
「何かあったのか?」
指を絡ませキュッと握り、彼女はラディに強要されている男のフリをする。男のフリとは言え、二人で居る時は口調が変わるだけで、仕草などはいつのもままだ。それでも、百人近いLLが居る中で目立つ存在ではない。
朝食前だと言うのに、年少のLL達は元気に走り、喧嘩をしたりボール遊びをしたり、それを年長達に注意され、と騒がしく、お互い以外とは積極的に話そうとしない二人は逆に浮いている。
「あの二人さ」
ニニと零九を見ていた二八一の九九が二八三の九二に話しかける。
「仲良すぎるよね」
「そうだね」
喋る訳でもなく、部屋の隅に黙って座り、それでも手を握っている姿は珍しくなく、それは二人っきりになってしまったために目立つ事になっていた。
他の一五零達がいた時は同一ナンバー同士が仲良くしている、と言う風に見えたのだが、今はお互いが離れるのを恐れているように見える。
