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温もり

第9章 五日目

「痛い痛い痛い! やめてくれ! やめてくれぇぇ!」

 ラディが食事を持って来ると、零九が絶叫を上げて暴れ、裸の女達が彼を押さえつけていた。

「あらあら、何をしているの?」

 トレイを両手で持ったままラディが声をかけるが、零九の絶叫に聞こえないのか、夢中になって何かをしたまま振り向かない。

「なかなか切れないわ。もっと良いの無いの?」

「えー、それ以外じゃこんな汚いのに使いたくないよ」

 女達はそう言って笑った後、手足を拘束した彼を押さえつけて作業を再開する。潰れかけた喉で零九は絶叫を上げ、それが女達を興奮させ、作業の中断と言う考えるを無くしていた。
 零九の性器を切り落とそうとしているのだと気づいたラディは大きく息を吸い込む。

「やめなさい!」

 大声だけでなく、魔力を込めた声に女達は振り向きラディの姿を見て、なぁんだ、とつまらなそうに呟く。彼女が来たと言う事は、楽しみを一時中断しなくてはいけない、という事だ。

「折角楽しくなって来たのに、白けた」

 吐き捨てる様に言い、女達は裸体を晒したまま檻から出て、服を着る。ラディを見る目は、楽しみを奪われたと言う怒りが宿っており、零九を見ると、完全に玩具としてしか彼を見ていない事が窺えた。

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