
温もり
第9章 五日目
女達が出て行くのを見て、ラディは檻の前に来る。
零九は痛みと拘束に身動きが取れず、苦痛に呻き声を、恐怖に嗚咽を漏らして泣いている。
「零九、動けるかしら?」
ラディは優しい声色で問いかける。それは零九には酷く安心出来る物であり、彼女に会いたいとすら思っていた。
「……ごけ、い……」
零九は言葉を紡ぐが、首を締められ、絶叫を上げて潰れてしまった喉では聞き取れる様な声は出せなくなっていた。
ラディは、仕方ないと言った表情を浮かべて檻の中に入り、トレイを置いて転がっていた血塗れのナイフを拾い上げる。
「大人しくするのよ」
そう声をかけて彼の手足を拘束していた粘着テープを切り、自由にする。
それでもダメージの大きい零九は動く事が出来ず、半ば近くまで切られた性器を傷だらけの手で触る。
「ここは切ったら血が止まらなくなるって知らないのかしらね?」
ラディは言い、零九の手に自らの手を添える様にして治療する。彼女の本心としては止血するだけにしたかったのだが、尿道も断たれていたため、治療しなければ彼が死んでしまうので、治療せざるを得なかったのだ。
零九は恐怖に正常な判断をする能力はなく、他の怪我を治して貰おうと言う考えは思いつかない。
「ご飯よ。食べなさい」
ラディが食事を差し出し、彼はそれに手を伸ばす。
指も数本折れているらしく、箸ははおろか、スプーンも持つ事が出来ず、彼は手のひらで器を持ち、スープを口に運ぶ。
零九は痛みと拘束に身動きが取れず、苦痛に呻き声を、恐怖に嗚咽を漏らして泣いている。
「零九、動けるかしら?」
ラディは優しい声色で問いかける。それは零九には酷く安心出来る物であり、彼女に会いたいとすら思っていた。
「……ごけ、い……」
零九は言葉を紡ぐが、首を締められ、絶叫を上げて潰れてしまった喉では聞き取れる様な声は出せなくなっていた。
ラディは、仕方ないと言った表情を浮かべて檻の中に入り、トレイを置いて転がっていた血塗れのナイフを拾い上げる。
「大人しくするのよ」
そう声をかけて彼の手足を拘束していた粘着テープを切り、自由にする。
それでもダメージの大きい零九は動く事が出来ず、半ば近くまで切られた性器を傷だらけの手で触る。
「ここは切ったら血が止まらなくなるって知らないのかしらね?」
ラディは言い、零九の手に自らの手を添える様にして治療する。彼女の本心としては止血するだけにしたかったのだが、尿道も断たれていたため、治療しなければ彼が死んでしまうので、治療せざるを得なかったのだ。
零九は恐怖に正常な判断をする能力はなく、他の怪我を治して貰おうと言う考えは思いつかない。
「ご飯よ。食べなさい」
ラディが食事を差し出し、彼はそれに手を伸ばす。
指も数本折れているらしく、箸ははおろか、スプーンも持つ事が出来ず、彼は手のひらで器を持ち、スープを口に運ぶ。
