テキストサイズ

温もり

第11章 七日目

 ガチャリと扉が開き、零九はビクンと体を硬直させる。誰が何人入って来たのかを見るのも恐ろしくて出来ず、痛みを堪えながら庇う様に体を丸めた。

 檻の鍵を開ける音。
 檻を開く音。
 入って来る足音。
 檻を閉める音。

 零九は恐怖にガタガタと震えて襲って来るであろう痛みを、歯を食い縛って備える。
 だが、手も足も、棒も彼を攻撃する事はなかった。

「ぎゃう! うあああ! ぎゃん!」

 女性の悲鳴が響き渡り、零九は恐る恐る目を開いて顔を上げる。
 その目に映ったのは、隣の檻に入れられた全裸の女性。彼女は零九にされたのと同じく、暴行を受けて訳も解らずに悲鳴を上げて泣いている。

「泣けよ! ほら、いてぇだろ!?」

「うあうあああ! ああ!」

 顔を殴られ、頬を赤く腫れた女性は縋る様に研究員達を見上げて何かを訴える。
 茶色の長い髪と、同色の瞳が、LL研究室ではなくこの部屋に連れてこられた理由だった。

「あああ! じゃ解んねぇよ!」

 女性の悲鳴を真似て笑い、腹部を激しく殴打し、彼女は腹を押さえて床に倒れる。
 研究員達は激しく咳き込む彼女を見下ろし、視線で次に何をするのか互いに確認する。そして、ある者は彼女の腕を押さえ、ある者は足を広げて押さえつけ、ズボンのチャックを下ろす。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ