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秘密の玩具

第2章 透明人間

僕は焦る気持ちを抑え、ひとまず落ち着くために再びベッドに横たわった。


大丈夫だ……多少の動悸はあるが息をすることに支障はない。



「ふぅ……良かった」



しかし、このままでは生活に支障を来すことになるだろう。


ふと、そう思い
ほとんど透明になり自分ですら見づらくなった右手で枕もとの目覚まし時計に手を伸ばすと

「っ…!」


なんと、掴むことができたのだ。


「す、すごい」


手にとった時計は、まるで宙に浮かぶように持ち上がった。

「そうか…身体は透明になり見えなくとも僕の存在は消えていないんだ。」




そう確信した瞬間、僕はいけないことを考えニヤリと微笑んだ。

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