私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~
第2章 色っぽい花魁の次は身も凍る夜泣きそば屋
他に客の姿でも見えれば、まだ高志の心も落ち着くだろう。私はきょろきょろと周囲を探してみるが、やはり、私たち以外に江戸の町を歩く人の姿は見あたらなかった。
私と高志はぴったりと寄り添うようにして並んで歩いていく。
細い道がずっと伸びていて、周囲は高い塀が続いている。やはり、思ったとおり、橋をわたりきったこちらは、武家屋敷がひしめくお屋敷町のようだ。
この高い立派な塀の向こうには、お武家屋敷があるのだろう。
たかだかひと夏限りの化け物屋敷に、ここまでリアルな江戸の町を再現するとは、ここの遊園地も酔狂だなと思わずにはいられない。
どれくらい歩いただろうか。
私には随分と長いように思えたけれど、きっと時間にしてはそう長いものではなかったろう。
またしても突然に町並みが途切れ、私たちは小さな空き地のような場所に出た。
眼前には、小さな井戸が見えている。
「お、おい。あの井戸」
高志が声をうわずらせている。
私と高志はぴったりと寄り添うようにして並んで歩いていく。
細い道がずっと伸びていて、周囲は高い塀が続いている。やはり、思ったとおり、橋をわたりきったこちらは、武家屋敷がひしめくお屋敷町のようだ。
この高い立派な塀の向こうには、お武家屋敷があるのだろう。
たかだかひと夏限りの化け物屋敷に、ここまでリアルな江戸の町を再現するとは、ここの遊園地も酔狂だなと思わずにはいられない。
どれくらい歩いただろうか。
私には随分と長いように思えたけれど、きっと時間にしてはそう長いものではなかったろう。
またしても突然に町並みが途切れ、私たちは小さな空き地のような場所に出た。
眼前には、小さな井戸が見えている。
「お、おい。あの井戸」
高志が声をうわずらせている。