私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~
第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?
別に自慢するわけじゃいけど、私って昔から、何か嫌なことが起こりそうなときには不思議とビビッとくるんだ。
ラッキーなことなんかのときには、ちっとも反応してくれないアンテナなのにね。もっとも、私の十七年の人生、可もなく不可もなくといったところで、たいして良いこともない代わりに、別に不幸だなって思わなきゃならないことも特になかった。
で、その私のアンテナが井戸に近づくにつれて、いきなり反応を始めたの。
マジで、これはヤバイと思ったよ。私は小声で隣の高志に囁く。
「ちょっと、高志。あの井戸、マジ、ヤバイよ」
「ええー、そんなこと言われたって。ここを出るにしたって、あそこを通らなきゃ駄目だろ」
ええい、情けない男め。私の役立たずのアンテナよりも始末が悪いじゃないか。思わず怒鳴りたいのをぐっと堪え、私は続けた。
「こうなったら、ダッシュだよ、ダッシュ。できるだけ井戸の方見ないで、やり過ごすしかない」
「う、うん」
高志は真っ青。本当にこのまま倒れてしまってもおかしくないくらい顔面蒼白だ。
ラッキーなことなんかのときには、ちっとも反応してくれないアンテナなのにね。もっとも、私の十七年の人生、可もなく不可もなくといったところで、たいして良いこともない代わりに、別に不幸だなって思わなきゃならないことも特になかった。
で、その私のアンテナが井戸に近づくにつれて、いきなり反応を始めたの。
マジで、これはヤバイと思ったよ。私は小声で隣の高志に囁く。
「ちょっと、高志。あの井戸、マジ、ヤバイよ」
「ええー、そんなこと言われたって。ここを出るにしたって、あそこを通らなきゃ駄目だろ」
ええい、情けない男め。私の役立たずのアンテナよりも始末が悪いじゃないか。思わず怒鳴りたいのをぐっと堪え、私は続けた。
「こうなったら、ダッシュだよ、ダッシュ。できるだけ井戸の方見ないで、やり過ごすしかない」
「う、うん」
高志は真っ青。本当にこのまま倒れてしまってもおかしくないくらい顔面蒼白だ。