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私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~

第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?

 相手が幼なじみの私だから良いようなものの、クラスの女子の誰かに言おうものなら、一瞬で勘違いされちゃうよ。
 つまり、あんたの言ってることは、裏を返せば、おまえに男として少しくらいは意識して貰いたいーってことなんだから。
 まあ、相手が高志だからね。さして深い意味はなく口にしてるのは私も理解してるから、誤解とか勘違いはしないであげるけどさ。
 それにしても、よく言うね。
 お化け屋敷では、あれだけみっともないザマ見せつけておいて、今になって、男として意識するだのなんのって話になるかな、普通。
 あんたに多少の好意をもっていた女子だって、あのていたらくを見たら、きっと幻滅するよ。
 ああ、私は大丈夫。はなからあんたに好意を持ってるわけでもないし、妙な幻想を抱いているわけでもないから。
 ああ、やっぱり高志は高志なんだって、つくづく納得しただけ。
 それにしても、今日は凄かったね。腰は抜かすは、女みたいな金切り声をあげるは、泣きそうになるはで、よくあれで、お化け屋敷に入る前に〝俺がおまえを守ってやる〟なんて言えたものだよ。

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