テキストサイズ

僕らの気持ち。

第2章 かっぷりんぐ…?

「か、かっぷりんぐ…?」

聞き慣れない言葉に戸惑う。



「そうだ。つまり俺とお前でコンビを組むとしよう。常に二人でいることで女子はきゅんきゅんするらしい。」

ほ、…ほう。なんだかよくわからないが一ノ瀬といればいいのか。


「…だけど俺達一緒にいてどこにきゅんきゅんするんだよ。」

きゅんきゅんしないだろう…むしろムサい。


「つまり……例えるとするなら、お前がずっと甘い物を食べてるとしよう。
その後お前はどうする。」

「え…飽きて食べるのをやめる。もしくは塩辛い物が食べたくなる。」

ずっと甘い物を食べ続けるをはつらい。



「…だろう。女子もそうだ。確かに椿は可愛い。しかし可愛いだけじゃ飽きる。たまには俺みたいなやつもいた方が飽きない。」

ほうほう。甘い物と塩辛い物を交互に食すということか。


「分かった。だから俺は一ノ瀬といた方がいいのか。」

「そう言うことだ。だからなるべく俺といろ。あとキャラを崩さないように気を付けろ。」

……キャラ?

「椿、お前みたいな口の悪い奴が女子にモテるとでも……?」

フン、っと鼻で笑う一ノ瀬。お前だって口悪いくせに…


「俺に猫かぶれって言いたいのか?」

「まぁそういうことだ。女子の間でもそういうキャラが結構受け入れられるらしい。
あっ、もちろん俺の前では素でいていいからな。」

……当たり前だろ。なんでお前の前で猫かぶらなきゃならん。


「まぁ大体最初はこんな感じに書いてある。とりあえず皿洗い終わったな…そろそろ行くか。」

パタン、と本を閉じた一ノ瀬。


「あぁ…分かった。」

そう、これで俺と一ノ瀬というかっぷりんぐ(?)というやつが成立したのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ