テキストサイズ

僕らの気持ち。

第3章 噂の二人組

春、満開の桜。マンションから徒歩10分の道のりを一ノ瀬と歩き、今日から通う某高校の門の前に来た。


「おい、一ノ瀬!そこら中に女の子がいるぞ!!おい、一ノ瀬ってば!!」

普段見慣れない女の子がいたる所にいる。あまりの嬉しさのせいか、一ノ瀬の腕をぐいぐいと引き寄せながら歩いて行った。

「そんなに急かさんでも女子は消えるわけじゃないんだから。」

呆れたように俺に連れて行かれる一ノ瀬。

「そんなのわかってるって!……なぁなぁ、もうこの子だぁ!!って子がいたら告白とかしちゃっても…」

「浮かれるな。馬鹿者。」

ぺしっ、と軽く叩かれた。



「いってぇーな…何すんだよ。」

一ノ瀬に叩かれた部分を軽くさする。


「そんなことしたら一発で玉砕だろうな…いいからお前は大人しくキャラを作っとけ。」

わしゃわしゃと俺の髪をわざと乱しやがって。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ