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ブルースカイ

第9章 マサ

マサとの出会いは、ファミレスで。神戸に来て間もない頃だった。



コーヒーを飲みながら、時間を潰していた。暇やな。



タバコに火を点ける。一吸いして目を閉じる。



目を開けると、意気がった感じの高校生らしいのが近付いてくる。



「なぁ、兄ちゃんや。タバコくれや。」



俺はパッケージをポンとテーブルの上に置いた。



そいつは一本取って立ち去ろうとした。



「待て。ここで吸って行きや。」



「あっ?」



俺の顔をにらんできた。



「聞こえなんだら、もう一度言う。ここで吸って行き。」



タバコを吸いながら、マサの顔を見る。



マサは目を背けて、俺の前に座る。



俺は素知らぬ顔でタバコを吸う。

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