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ブルースカイ

第10章 恵(中)

「兄貴?」





昔を思い出していた俺は、急に現実に引き戻される。





「えっ?」





「ボーッとしてたけど、何考えてたんすか?」





「昔思い出してた。例のストーカー。」





「その件は勘弁して下さい。」





「いや、許す許さんやなくて、合コンでふと思い出したんや。」





「それやったらええですわ。」





「あれから、あいつどうなったん?」





「あの時くっつけた男と続いてるみたいっすわ。」





「マサは嘘が下手やな。気休めでも、そう願うわ。」





「嘘やないですわ。」





「マサの性格考えて、付き合いだしたまでは聞いても、その後の事なんか、確認せーへん。やから、わかりやすい嘘やねん。」





「すいません。」





「しょげな。済んだ事が気になるのは、俺の悪い癖やし。」





俺ら2人の話にしびれを切らせたフミが、俺にからみ始める。





「何をゴチャゴチャ言うとんねん。俺も仲間入れてや。」





「ええい、うっとうしい、なつくな。」

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