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ブルースカイ

第12章 コウ

俺はコーヒーのカップの取っ手をつかみ、口に運ぶ。









コウはまだ頭を抱えていた。









ってか、そんな迷う事か?とか他人事だけに思って見ていた。









コウと最初に会ったのは、フミに無理矢理カラオケに連れて行かれた日。









あれからフミ、コウ、明美と4人でつるむようになった。









最近では、フミとマサの3人でつるむようになって、たまに電話で話すくらいになっていた。









コウとフミは考え方が正反対だったため、間に入ってバランスをとる人間が必要だった。それがかつては明美の役割で、今は俺の役割だった。









というのも、フミは現実派で、理想と現実を天秤にかけて、局面に応じた冷静な読みができ、妥協すべき時は妥協できる奴だった。









それに対し、コウは先を読む点ではフミと同じだが、妥協ができず、墓穴を掘っても自分の道しか歩けなかった。









それはコウの強さであり、弱さでもある。









基本的に人の言う事を聞かない奴なので、それが強さとして作用している時はいいけど、弱さになった時は、妥協できんだけに脆いやろうな。

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