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ブルースカイ

第12章 コウ

「聡、自分の提案に乗るわ。その代わり、聡も気を付けといてや。」









コウの言葉で現実に引き戻される。









「ええけど、気にしすぎやと思うで。」









「他人事やから、そんな言えんねん。」









俺は苦笑して首をかしげる。









「俺が言うんもなんやけど、気にしすぎも、気にしなすぎも、あんまええ結果につながらんのやない。」









コウも苦笑した。









「俺ら、両極端やな。聡は嫉妬しなさ過ぎやし、俺は嫉妬し過ぎ。」









「多分、フミくらいが一番バランス取れてんねん。ちょいいい加減やけどな。」









「なんか考えてるんが、アホらしくなったわ。」









「人生て、そんなもんちゃうん?人生の大半は人と人の関わりやし、言うても、人間、考える事とか、大して変わらへんと思うで。」









「ほな、両極端やけど、俺と聡は一緒か?」









「もちろん全く一緒ではないけど、情報量と経験の違いやわ。俺みたいに育てば俺みたいになるし、コウみたいに育てばコウみたいになるんやない。」









「わかるような、わからんような。まるで一休さんの世界やわ。」

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