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ブルースカイ

第14章 明美

恵と別れ、フミも今までのバンドから抜け、バンドが本格的に始動したのは、10月の半ばだった。









基本は個人練習と合同練習で、たまに友達を呼んで聞いてもらったりはしたが、とてもお金をもらうようなライブをできる実力はまだなかった。









昌孝は入院し、たまにお見舞いに行くようにしていた。病状は素人目に見ても良くないのが見てとれた。11月にはすぐに面会謝絶になり、手紙のやり取りになった。









フミとコウの関係は、一歩距離を置いたまま、表面上は仲良く見えるが、俺を話題の中心に据え、2人では事務的な話しかしていなかった。









そのため、お互い2人を何とかしようと画策している明美との電話の回数が増えた。









変にタイプが似ているというか、お互い誤解されやすいタイプという欠点も手伝って、まるで兄妹かのようにお互いよき相談相手兼友達だった。









明美に言わせるとフミ達同様、ずっと幼馴染みだったような気がすると言っていた。フミやコウからも過去の話を聞いているだけに、俺もそんな気がする時があった。

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