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ブルースカイ

第14章 明美

「ああ、聡脅かさんといて」



俺は苦笑して、タバコに火をつける。



「脅かすも何も、ボーッとしすぎやろ暗い顔してどないしたん」



「さっき電話したら、話し中やったな」



「ああ、麻理からかかってきとってん」



「そうなんや。」



・・・・・・・・・。



・・・・・・。



・・・。



沈黙



明美は沈黙のまま、俺の顔を見ている



「なんか用があったからかけたんやろ、沈黙でガン見ておかしいやろ」



「ああ、うちの話、聞く」



「逆に聞くけど、この状況で聞かんて選択肢あり」



「ないな野暮な質問やったな」



いつになく弱気な明美



「どないしたん」



「浩平と文也、疲れるわバンドの日程一個で揉めんねん」



「明美が中入るからやろそんなん俺に振り」



「それだけやないねん文也と連絡取ったら、浩平、ガチャガチャ言うし、文也に言うたら、浩平と喧嘩するし、どないしたらええん聡、助けてや」



今にも泣き出しそうな明美の顔。

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