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一人ぼっちの姫

第20章 君のぬくもりに触れていたくて…

私たちはイスに座った。


「こうやって、二人で話すのは久しぶりですね」



「そうね…」



「ずっと、会いたかったです」



「私も会いたかった」


私も、同じことを思ってた…。


キルトに、会いたくて仕方がなかった。


ふとキルトのほうを見ると、左手の傷に目がいってしまう。


「…キルト。ごめんなさい…」


「何がですか?」


「私のせいで、キルトにけがを負わせてしまった…。大切な左手を…」



「…言ったでしょう?あれくらい平気です。これくらい、どうってことありませんよ!」


「うん…、ありがとう」


笑って、私を許してしまうキルト。


そんなキルトを見ていると、心が安らんでいく。



このままずっと、二人で入れたらどんなに幸せだろう…


二人で…



「…ルイ様。」


「なぁに?」



「今夜だけでいいから、私の隣にいてくださいませんか?」




「もちろんよ」



キルトは私を抱きしめようとした。



「すみません。私はルイ様をしかっりと抱きしめることができなくて…」




「…大丈夫よ!。キルトが抱きしめられなくても、私がキルトを抱きしめてあげるから。」



そういって私はキルトに抱きついた。


今まで、触れられなかった時間をうめるように、キルトの温かいぬくもりに浸っていた。



すごく懐かしくて我慢していた気持ちがあふれ出す。


〈ポタッ、ポタッ〉


無意識のうちに、


私の目から大粒の涙が流れ出した。



「ルイ様!?
どうなされました?どこか…」



「キルト…」




「はい」






「抱いて…」





「え??」







「私を、キルトのものにして…」



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