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適当日記

第8章 8月13日―山梨

「で、あれから更に10分ほど待ってんだけど…。」
「戻ってこないね…。」
あまりに退屈すぎて田崎が膨らませた巨大な浮き輪に頭を乗せながら会話をする。
「…海入ったのかな?」
「流石に入りはしないんじゃない?」
「いやそうじゃなくて…。潮が満ちて海に引きずり込まれたんじゃないかってこと。」
「…考えすぎだろ。いくら福田先輩が天然だからって海岸で寝てたりしない限りそれはないだろ。てか海岸で寝る人なんていないだろうし。」
「うーん…。じゃあ福田の劣情が爆発して福田先輩に襲いかかったとか?」
「…マジだったら文芸部終わりじゃね?」
「いやあの顧問だしそういうこと笑って見過ごしそうじゃない?」
「まあそうかもなぁ…。…念の為部長に連絡いれて海見てきてもらうか。」
「そうだね。」
連絡中…。しばらくお待ちください。
「はい。じゃあお願いします。」
「連絡ついた?」
「ああ。帰り際によってくるってさ。」
「んーじゃああと30分もすれば帰ってくるのか。」
「えーとここからコンビニまで10分。で、コンビニから海まで5分…。まあその位かな。」
「…じゃあまた暇だね…。」
「ああ…。」
俺たちはまたため息をついた。

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