或空の群青
第2章 愛し苦しや
温かいのんちゃんの体温と
嗅ぎ慣れた香水の匂い。
私はこの部屋に来ると
全ての世界から
守られている気がした。
でも結局はただの逃避。
私はただ気持ち良いからと、
のんちゃんに逃げ込んでいる。
――「ゆきちゃん、」
少し上ずった声が聞こえて
私ははっとした。
「ぼーっとしてたでしょ。
ちゃんと私を見てよ…。」
半分冗談のようで
半分本気のような
のんちゃんの発言に、
私はいつも流される。
「うん…ごめん…っあ、」
お腹を上から下へと
なぞられながら、
のんちゃんの手は
私のお尻へとまわった。
そしてまたいつもの
夢の世界へと
堕ちていく―――。