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或空の群青

第1章 クリームソーダ

――――――――…




「はぁー…汗掻いた…」


なんとかいつもの
電車に間に合った私は、
携帯の画面を見ながら
髪の毛を整えていた。


私の髪の毛は
伸ばしたばかりの
セミロング程度の長さで、
褒められるほど
綺麗でもない。


その髪をいつも
ツインテールに
縛っている。


高校生と言っても
大人びた所は
全く見えない。

黒髪にピアスの穴一つない、
ごく普通の高校生だ。







ふと、目の前を見ると
髪の毛を茶色に染めた
クラスメイトの里美がいた。


私と目が合うと、
「あー!おはよ!」
と高校生らしいテンションで
挨拶をしてきたので

「おはよぉー」
とふんわりした笑顔と
女の子らしいテンションで
返してやった。






こいつ昨日染めたて
って感じ……

全然似合ってないなぁ



と私は心の中で苦笑した。


私の学校では
染めていないのが当然で
染めている人は
若干浮いていた。


里美は髪を染めて何が
したかったんだろう。

絶対学校で愚痴られて
先生に怒られるのに。




私ならファッションの為に
周囲から反感を買うなんて
馬鹿なことはしたくない。


いじめや陰口なんて
すぐに広まるものだ。



私には経験があったから、
周囲より存在が
飛び出さないように
人一倍気を付けていた。





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