いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
「……はいっと。もしかして、うちにきた後、車でウップンはらしちゃったりしてます?」
「いやいや、そんなこと全然ないですよ!」
伝票の冊子をバタバタと振って、全力で否定するところがちょっとかわいらしい。
「ほんとですか?」
「あ、菊川さんだけの日はたまに……なんて、ね」
サブマネージャーの菊川くんと福田さんは同い年で、趣味も似ているらしく、いつも仲良く話をしているが、その分よく言い合いもしている。
そんな彼らをふたつ年上の私がいさめる場面が、今までに何回もあった。
これがまた“どんぐりの背くらべ”的にしょうもない小競り合いで、思い出すだけで笑えてくる。