いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
そんな私の苦笑いの向かい側で、福田さんは1日の疲れを感じさせない穏やかな笑顔を見せてくれる。
「営業さんのお仕事って、大変ですね。笑顔じゃなきゃ仕事にならないんですから」
「いやいや……。どの仕事もこんなもんでしょ。それに、俺の取り柄ってそこだけなんで、これで飯食えるだけでもありがたいですよ」
そう言ってはにかむ福田さん。
その笑顔は私の数少ない癒しのひとつだ。
彼の笑顔はその辺の、いわゆる“イケメン”と言われる類の男の子にもひけをとらない……と思う。
もちろん“誰が見ても”というわけではないだろうけど。
「そうはいっても、頭にきたりすることありません?」
「んー、そりゃもちろんありますけど、その時は営業車でウップンはらしますから。あ、ここにお願いします」
伝票を書き終えて、私に確認のサインをするように促す福田さん。
こうして近くに立たれると、背の高さがあまりに違うので、せっかくの笑顔が全く見えなくなってしまう。