いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
この10年、私は半分意地でここにいた気がする。
時勢とは言え、しがみつかなくては自分の居場所をなくしてしまいそうだったから。
私が就職した時期はかなりの氷河期で、4大卒といえど就職出来ずにいた人が結構いた。
そんな中での就職は希望職種に就くことより、とにかくどこかに身を置こうとする決断を優先することが、就活者の見えないルールみたいで。
もちろん私もその例外とはならず、とりあえず一番先に内定をくれた第4希望のこの会社に就職したのだ。
“県内最大手の食品小売業”という肩書きのついた会社に入ったことを、私は私なりに納得したつもりでいたが、いざ、内部の人間になってみると、その裏側も見えてくるわけで、半年と経たずに嫌気がさしたのも事実だった。