いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
ほぼ、毎日のようにある残業。
あまりに長い拘束時間。
定まらない公休日。
やり甲斐よりも利益や売上を求める数字のプレッシャー。
朝から晩まで毎日続く体力も気力もすり減らすような仕事に、あげればキリがない不満が次から次と湧いて出てきた。
それと同時に不器用な私はどんどん余裕を無くし、学生時代から付き合っていた彼氏に一方的に別れを告げたり、他愛もない話をしていたはずの友人たちとも連絡を取らなくなってしまっていた。
自分の思い描いていた社会人としての自分は、果たしてこんなだったろうか。
あの頃、寝ても覚めても私の頭に充満していたのは、そんな地に足の付かないような疑問符ばかり。
結局のところ、彼氏や友人達と自分を比較してしまい、自分だけがこんな思いをしてるんだという勘違いから、どうしようもない惨めさに捕われていたんだと、今ならわかる。
たびたびの休日出勤だって、1日たりとも消化できない有給休暇だって、この業界ではなんら珍しいことじゃないのだから。