いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
日を追うごとに卑屈になっていった当時の私は、自分の教育係だった三上さんに、ふとしたことからすべての不満をぶちまけてしまった。
辞めたい、そうも言ったっけ……
その時だった、初めて人からガツンと叱られたのは。
『おい、フジコ、お前言い訳ばっかしてんじゃねぇよ』
いつもヘラッと笑ってる三上さんの真剣な顔を見たのは、それが初めてで、同情してもらえるだろうとたかをくくっていた私には衝撃的なひとことだった。
よく考えれば、入社してたった半年の私がやり甲斐だとか、プレッシャーだとかを口に出したのだから、長年勤めあげてきた三上さんには、くそ面白くない話だったはずだ。
――言い訳ばかり
ろくに肉もさばけない、ろくに売り場も決められない、すべてはそんな私の中途半端な仕事ゆえの愚痴なのだと、三上さんにこてんぱんにやり返された。
返す言葉なんてもちろん見つかるわけもなくて、虚しさと悔しさが込み上げてきて危うく涙を流すところだったっけ。