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いつもそこには、君がいて

第1章 1 月曜日


「でね、この店に来て2年ちょっとなんだけど……」

『♪〜、間もなく閉店のお時間でございます。ご来店のお客様、お買い物は……』


 聞こえてきたのは、店内放送の上品で無機質な女性の声。

 情けない身の上話をしている間に、時刻は閉店の9時になろうとしていた。

「あ、すみません。なんだかダラダラと」

「いえ。でもまだ、話途中ですよね? 駐車場までなら歩きながらでも話せますよ?」

 福田さんは特売企画の打ち合わせなどで閉店過ぎまでいることもあり、荷物の搬入などが無いときは、300メートルほど離れた職員駐車場に営業車を停めている。

「え、まだ付き合ってくれるんですか?」

「もちろん。こんな中途半端じゃ、俺も気になりますし」

「いつも、ほんと、なんだかすみません。じゃ、今、ここ片付けちゃいますから」

 そう言って、広げてあった書類を片付け、バックヤードの冷蔵室の温度チェックを済ますと、お弁当箱の入った小さなバックをひとつ手にとって通用口から外に出た。

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