いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
駐車場の入口に着いた私たちはその場に立ちすくんだまま、私は福田さんの顔を見上げた。
福田さんのちょっと驚いたような表情に、一瞬言葉に詰まったけれど、押し寄せた感情にはあらがえず、彼に当たってしまった。
「このまま続けて、数字取れるって言える? 大丈夫って言えますか? 何も見通せないまま歳だけとっていくなんて、もう嫌なんです。怖いんです」
“何言ってんの”と自分を制止しようとする声が耳の奥で聞こえたが、それとは裏腹に口からは言葉が放たれる……
自分でもびっくりしたが、それはそれ、もう戻せはしない。
不安に潰されている自分をさらしてしまった気まずさと、全く関係ない人に当たり散らした申し訳なさに、危なくこぼれそうになる涙をこらえながら、福田さんに背を向けた。
それがこの時、私のできる精一杯だった。