いつもそこには、君がいて
第2章 2 水曜日
――さ、沙織さん??
「お疲れ様でした」とお辞儀をし始めたところに、まさかの不意打ち。
いきなり下の名前を呼ばれたことにあまりにびっくりして、“はい”という一言すら出てこない。
「あの、こんな時にあれかと思ったんですけど」
「はい……」
な、なんですか!?
福田さんの顔を素っ頓狂な顔で見つめるよりほかなかった。
「俺も、なんか、時間がもうないっていうか」
なにが……
「もう、今日しか無いんで言いますけど」
なにを……
「俺、沙織さんのこと、好きなんです」
へ?
「俺、沙織さんのことずっと好きでした」
こちらの様子はとりあえずお構いなしで、目の前に立つ福田さんは次々言葉を投げかけてくる。