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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


「言ってみ?」

「やですっ!」

「ほらっ、やっぱりなんかあんじゃねぇか」

 しまった……三上さんのいつものベタな罠に、動揺していたせいかつい、はめられてしまった。

 前にもこんな口車にまんまと乗せられ、プライベートを知られてしまったことがある。


「ま、お前が言わなくても、俺は知ってるけどな、へっへ〜」

「また嘘ついて! その手には乗りませんよ」

「あ、そ。なーんだ、福田ちゃんのことじゃねぇのかぁ」

「……」

 今、“福田ちゃん”って言った?

 なんで三上さんが知ってんの!?


「フジコ? よかったな、貰い手がいて」

「も、貰い手!?」

「なにすっとぼけてんだよ。福田ちゃんからプロポーズされたんだろ?」

「はぁ〜っ??」

 プロポーズもなにも……

 付き合ってもいないし、まして福田さんの気持ちを知ったのも、つい一昨日のことなんですけど。

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