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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


「えっ、違うの?」

「違いますよ、プロポーズなんて」

「だって昨日福田ちゃん、“ちゃんと伝えました”って言ってたぞ?」

 言ってたぞって……

 どうして福田さんが三上さんにそんな報告をしたのか、まるで見当もつかなかったが、まずは三上さんの行き過ぎた誤解をとくため、私はしぶしぶ一昨日の福田さんとのことを話した。

「はぁあ」

「何か?」

 心外にも三上さんに深いため息をつかれて、ブスッとする私。

「お前ら、歳、いくつよ?」

「えーと、私が32ですから、福田さんは……」

「ふたりともいい歳こいた大人だよな? まったく、中学生みたいにのんきなことしてんなよ、まったく」

 中学生って何よそれ。

 そんなこと私に言われたって……


「福田ちゃんもなにやってんだよ。ありえないだろ、結局2年近くも見てただけって……」

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