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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


「2年!?」

「は? あいつ、なんにも言ってねぇのか?? こりゃ重症だな」

 三上さんは小さく舌打ちをして一呼吸おくと、こう話しはじめた。

「いいか、フジコ。俺はな、ほんとはこういうお節介って大っ嫌いなんだけどさ。お前も福田ちゃんもかわいくてしょうがないんだよ……。だからさ、ちょっと真面目に俺の話、聞いとけ、な?」

 こんな三上さんの声を聞いたのは、10年前に叱られたあの時以来だった。

「俺がさ、福田ちゃんのお前に対する気持ちを知ったのは、おととしの夏頃だったんだ。ちょうどお盆に向けて、業者と打ち合わせが続いたあたりでさ」

 三上さんの口からでてきた、福田さんのこの2年という時間。

 彼にとって、それが果たして長かったのか短かったのかは知るよしもないが、一昨日まで彼の気持ちにまったく気付かずにいた私を惹きつけるのに余るくらいの想いであることには違いなかった。

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