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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


「お前はまあ、いつもみたいに酔っ払ってヘロヘロだったんだよ。で、俺が送って帰ろうとしたらさ、福田ちゃんに止められたわけ」

「止められたって……」

「いくら三上さんでも、離婚したとなれば独身には変わりないから、峰さんとふたりきりにはさせたくないって、ハッキリね。俺がお前を襲うかもって心配だったんじゃない?」

 三上さんが私を?

 さながら、飼い主がペットを襲うようなもんで、ありえなさ過ぎて笑えてしまう。

「笑うな、バカ。それぐらいお前が好きってことだろうが」

「あ、すみません」

「俺さ、それ聞いて福田ちゃんはほんとにお前を大切に思ってんだなぁって、なんだか嬉しくてよ。それからは、福田ちゃんとの席でしか、お前に酒飲ましてなかったんだけど……お前気付いてた? 」

「え、いや……」

 言われてみれば、“お前は車で来い”というお酒の席が増えたなとは思っていたけど、それは私の酒ぐせの悪さに三上さんがいい加減愛想をつかしたんだとばかり思っていた。

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