いつもそこには、君がいて
第3章 3 金曜日
「あの、福田さん?」
「すみません、なんか力が抜けちゃって、はは、は……」
そう言う福田さんは、さっきより柔らかい顔をしていて、なんだか、ちょっとふぬけたその姿がとてもかわいらしかった。
「福田さん、かわいいですね、ふふふ」
「あー、見ないでください。情けなくなりますから」
耳まで真っ赤になった福田さんは、「ふぅ」っと大きく一息つくと自分の頬っぺたを両手でバシンと叩き、スッと立ち上がってこう言ってくれた。
「沙織さん? 俺、あなたの隣にいたいです。あなたに隣にいて欲しいです。こんな俺ですけど、これからずっと一緒にいてくれませんか?」
嬉しいような、くすぐったいような、なんだか不思議な気分。
でも、自分じゃうまく伝えられなかった言葉が、福田さんの口から出てきてくれて、胸がじんわり満たされていくような温かさがあった。
「はい」
「あー、よかった」
福田さん?
今の私は、笑えてますよね?