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いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


 なんだかお互いちょっと照れ臭くて、つい口元がゆるんでしまう。

「ふふふ、こちらこそ、よろしくお願いし……」

「おう、それはその……なんだ、プロポーズってことでいいんだよな?」

 私の言葉がすべて出るのを待たずにスイングドアが大きく揺れたかと思ったら、あのいたずら親父が、菊川くんと連れ立ってバックヤードに入ってきた。


「ちょっと、三上さん!! なんでここに来てるんですか!?」

「ガミガミうるせぇな、まったく。朝っぱらの“間違い電話”、謝りにきたんだろうが?」

「はぁ!?」

 さっきまでの雰囲気を掻き消したな、このジジイ。


「それに、だ。こんなこ汚ぇ場所で襲われちゃ、お前だって嫌だろ?」

「何それ!! 馬鹿なこと言わないでくださいよ、もう」

 昨日の電話がまるで嘘のような、馬鹿のひとつ覚え的発想で、付き合うこっちがほとほと疲れる。


 「んで、どうなのよ、福田ちゃん?」

 ニヤニヤしながら私を軽くあしらったくそ親父。

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