テキストサイズ

いつもそこには、君がいて

第3章 3 金曜日


「はい、俺はそういうつもりなんですけど……あ、なんかまずかったですかね?」

「ほらな?、フジコ。これで事が一気に片付くってもんだ」


 三上さんの得意げな顔が、思いっきりシャクにさわる……


「なんですか、その言い方。人をお荷物みたいに」

「お前がこのまま行き遅れたら、俺らじゃ責任とれねぇからなぁ、菊川?」

「あ、はい。おっかなくて、俺なんかじゃ絶対無理です、へへへ」

 二人とも、完全に私をからかって遊んでる……


「ちょっと、菊川くん、早く準備しなさいよ。今日は忙しいんだからね!」

「ほら、これだ。こわい、こわい」

 そう言って私の腹立たしさをヒラリとかわし、菊川くんは冷蔵室に入って行った。

 
「うるさいっ。後で覚えてなさいよ。三上さんも、こんなところで油売ってると遅刻しますよ、もう!」

「お? じゃ、帰るかな、しゃぁねぇ」

 三上さんは私にチラリとも目を向けず、手をヒラヒラさせながら、さっさと通用口から出て行ってしまった。

 直接様子を見にくるなんて、ふだ付きのお節介だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ