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完熟の森

第13章 花火

花火が始まった。


みんな夜空を見上げ一瞬の大輪を眺めていた。


火薬の匂いとドーンという音が腹に響いて、少し興奮した。


すると、僕の携帯がなった。


雫からのメールだ。

こっそり携帯を開けて読む。


『花火見てますか?

花火は一瞬だけの輝きだから見てもらえるんですね』


独り言みたいなメールだった。


僕は返信しなかった。


ただ、雫のメールが頭にグルグル回った。


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