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完熟の森

第28章 君を乗せて

「わっ、ホントだ!今見えた」


暗いけど、雫の横顔が真剣な様子が分かる。


「あっ、あっちも」


雫はあちこちの緑色の光を追って夢中になっていた。


「雫、あっち行ってみよう」


僕は雫の手を引いて橋を渡った。


橋の向こうは林になっている。


小学生の頃はよく遊んだ場所だったから、この辺は手に取るように分かっていた。


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