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完熟の森

第47章 完熟の森

仕事が終わり、職員室を出て、職員用の裏門を出る。


僕の足は迷いなく森へと向かう。


森の入り口で一度立ち止まり見上げ大きく息を吸った。


この匂いだ。


森は散り行く桜と交代で若葉を付けようと木々が生き生きとして活気付いている。


草木の匂いがまだ若い。


僕は一歩一歩森への道を踏みしめる。


構わない、もうこの森から出なくても。


ここが僕の場所だ。


森の奥に何も変わらない古びた家が見えた。


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